新規の自社サービスを立ち上げたいけど何から取り組んで良いのか分からない、立ち上げをしていく上での注意点が知りたいという人は少なくないでしょう。
新規で自社サービスを立ち上げる際に、ただ闇雲に進めていっても失敗してしまう可能性が高いです。そこでこの記事では、自社サービス立ち上げの際に用意すべきことや立ち上げまでのフロー、注意点などについて解説していきます。
自社サービスの立ち上げを検討している人は、ぜひ参考にしてみてください。
Contents
自社サービスの立ち上げで用意しておくべきこと
冒頭にも書いた通り、自社サービスを立ち上げる場合にただ闇雲に進めても成功する確率はかなり低いでしょう。そこで、自社サービスの立ち上げの際には、以下のような準備をしてから望む必要があります。
- 全体計画を立てる
- サービス開発の設計書を作成する
- 開発プラットフォームを用意する
では、それぞれの準備内容について解説していきます。
全体計画を立てる
まずは、どのように自社サービスを立ち上げていくのかという全体計画を立てる必要があります。何も考えずに始めてしまうと、途中でうまく進まなかったり、想定していたゴールにたどり着けないといった事態になりかねません。
- どのようなサービス内容にするのか
- どういったターゲット層を狙うのか
- どういったスケジュール感で進めるのか
といった内容をできるだけ具体的に決めておくと良いでしょう。
事前準備をしていれば、あとは計画通りに進めていくだけなので作業に集中できますし、急な方向転換があった場合も対応しやすくなります。効率が良くなるだけでなく、目標やゴールが明確になってリスクも軽減できるので、必ず最初に全体計画を立てるようにしてください。
サービス開発の設計書を作成する
何かを作り上げる際には必ず設計書が必要で、それはサービス開発においても変わりません。
そのサービスをどういった仕様にするのか、その仕様を実現するためにどんな作業が必要なのか、そのためにはどういった人材が必要なのかなどを事前にしっかりと設計することが大切です。
自社でサービス開発を完結させる場合は新たな人材確保が必要になる可能性もあるので、そういった予測するためにも、設計書の作成は不可欠になります。
開発プラットフォームの用意
プラットフォームとは、サービスを開発する上での基盤となる標準環境を指します。標準環境とは、システムの稼働やインフラの構築に必要となるサーバーやネットワーク機器、ソフトウェアなどです。
これらを自社で用意するか外部で用意するかによって、対応が変わります。
オンプレミス
プラットフォームを自社で保有し、運用する形態をオンプレミスと呼びます。
オンプレミスの場合は自社保有となるので、どういった機器を選択するかが自由です。特殊な機器が必要な場合などは、オンプレミスで行うことが多いでしょう。
しかし、その反面、保有や運用を全て自社で行わなくてはいけないため、その管理者が必要であったり、維持管理のコストが発生するといったデメリットもあります。
クラウドプラットフォーム
クラウドプラットフォームはオンプレミスとは違い、プラットフォームを提供している外部のサービスを利用して運用する形態を指します。
自社でサーバー等を保有する必要がないため、わざわざ管理する人材を用意する必要もなく、サービス提供会社に任せておくだけで運用が可能です。
ただし、使用する機器などは提供会社の意向に合わせなければいけないので、必ずしも自社サービスに適さないケースもあるという点に注意しましょう。
自社サービスの立ち上げまでのフロー
自社サービスを立ち上げる際の事前準備について解説しましたが、ここからは実際にサービス立ち上げを進めていくためのフローを解説します。
- 設計
- 開発
- 負荷試験
- 運用
- SEO対策
立ち上げまでのフローを理解することで、事前準備にも取り掛かりやすくなるでしょう。自社サービスを立ち上げるまでの一連の流れを確認したいという方は、ぜひ参考にしてください。
設計
まずはサービス設計をする必要があります。
プラットフォームをオンプレミスにするのか、クラウドプラットフォームを利用するのか、それらをどのように管理するのか、仕様の決定、リリース時点でどこまで完成させるのか、競合の調査など、設計段階で考えることは山ほどあります。
しかし、これらを事前に設計しておくことで、その後の開発の効率が格段に変わるので必ずしっかりと設計をしてから進めるようにしましょう。
開発
次に設計に沿って開発を進めていきます。
既存のフレームワークを使って進めていくのか、まったく新しいフレームワークを使って進めるのかといったところは最初に決めておくといいでしょう。
事前にしっかりと設計をしていれば開発はその通り進めるだけですが、開発中に修正が必要になる場合もあるので、急な修正にも対応できるよう準備しておくことも大切です。
負荷試験
開発が終わったら、不具合が発生しないかを確かめるために負荷試験を行っていきます。
この負荷試験をおろそかにしてしまうと、実際運用を開始してから不具合が発生してクレームにつながってしまう可能性もあるので、非常に重要な工程です。
もし、ログインが必要であったり、個人情報を取り扱うようなサービスの場合はセキュリティの面でも負荷試験を行っておくこともおすすめします。
運用
ここまで進んだら、実際に運用フェーズに移ります。
WEBサービスの場合、レスポンス速度が非常に重要なファクターとなり、離脱率にも直結してくるので、しっかりと速度改善できるようにしましょう。
また、静的コンテンツの場合はブラウザキャッシュがおすすめです。キャッシュすることで2回目の訪問時に表示速度が早くなり、ユーザーのストレスを軽減できます。
上記の通り、運用後はなるべくユーザーのストレスを減らせるような施策を考えると、満足度向上にもつながるでしょう。
SEO対策
WEBサービスにおいてSEO対策は欠かせません。検索からの流入を増やすためにも、しっかりとSEO対策を行いましょう。
具体的には「ページスピードの改善」、「リンク切れのチェック」、「タグの設定」などです。
特に、ページスピードの改善についてはGoogle社が提供しているPageSpeed Insightsで改善提案ももらえるため、ここで提案される改善点は全てクリーンにしておくことをおすすめします。
SEO対策は目に見えにくいので忘れがちですが、ユーザーにサービスを見つけてもらうためには重要な工程です。
自社サービスの立ち上げの注意事項
自社サービスを立ち上げる流れを把握したところで、サービス立ち上げで注意すべき点について確認していきましょう。
サービス立ち上げの際の注意点は、以下の8項目です。
- 企画段階からエンジニアに参加してもらう
- サービスを打ち出したいタイミングに合わせて工数などを調整
- 中間的な目標を定めて想定通りかどうか確認
- 言語や技術は流行に左右されないように気を付ける
- 新しい技術を使いすぎると対応できない可能性も
- 事業規模に合わせてエンジニアを選定
- 顧客の行動を監視して分析
- 競合他社サービスとの差別化を図る
注意点が多いようにも感じますが、サービス立ち上げでの重要事項なので、しっかりとチェックするようにしてください。
企画段階からエンジニアに参加してもらう
WEBサービスの立ち上げで、エンジニアは非常に重要な役割を果たします。しかし、ただ単にやってほしい作業の指示をするだけではサービスは作れません。
企画段階からエンジニアの方にも参加してもらい、どういった背景でサービスを開発しているのか、ターゲットは誰で、どこをゴールにしているのかといった全体像を把握してもらうと、エンジニアからの技術的な意見ももらえるので、より良いサービスを作り上げていけるでしょう。
サービスを打ち出したいタイミングに合わせて工数などを調整
新サービスを立ち上げる場合、「スピード重視」か「品質重視」かによって打ち出すタイミングは変わってきます。
スピード重視でサービスを立ち上げたい場合、どれだけ良いサービスが作れても立ち上げ時期が遅れてしまっては意味がありません。その逆も同じです。
なので、まずはいつサービスを打ち出したいのかを決め、そこから逆算してロードマップを敷き、スケジュールや工数の割り振りを調整すると良いでしょう。
せっかく進めたサービス企画がタイミングを間違えてボツになった、なんてことにならないように注意してください。
中間的な目標を定めて想定通りかどうか確認
中間的な目標(KPI)を定めることも非常に重要です。ゴールだけ定めてしまうと、中途段階で本当にちゃんとゴールに迎えているのかどうかを判断するのが難しくなってしまいます。
なので、ゴールへの経由地となる中間的な目標を定め、途中で方向性の確認ができるようにしておきましょう。
ちなみに、中間的な目標を定める場合は、定量的に判断できるものが望ましいです。定性的な目標だと、果たして現状がその目標を達成できているかどうかの判断が難しくなってしまい、目標を定めた意味がなくなってしまいます。
言語や技術は流行に左右されないように気を付ける
サービスを作る言語やフレームワークなどには流行が存在します。逆に、流行ではなくても多くの人に愛されてずっと使われるものもあります。
流行というのはどうしても乗りたくなってしまうものですが、しっかりとした設計なしに流行に乗ってしまうと失敗する要因になりかねません。そのときは流行だったとしても、運用し始めてからすぐに別の言語やフレームワークが主流になり始める可能性もあります。
もちろん、自社のサービスにその流行が適しているのであれば問題ありませんが、「流行だから」という理由で採用するのはやめましょう。もし言語やフレームワークで迷ったら、一般的によく使用され続けているものを選ぶと失敗も少なくなります。
新しい技術を使いすぎると対応できない可能性も
技術というのは日々進化していますが、それらを全て学んで自身で利用できるようにするのは非常に困難です。
サービス開発をする際にも、新しい技術が優れているからといってむやみに採用してしまうと、その後管理するときに、他の人が新しい技術についていけず管理ができないという可能性もあります。
その後の対応や他の人の技術レベルも確認した上で、どういった技術を活用するのかを決定すると良いでしょう。
また、新しい技術は事例が少ないことから、不具合などが起きた際に対応できないというリスクもあります。失敗したときのリスクなども考えて判断してください。
事業規模に合わせてエンジニアを選定
サービス開発におけるエンジニアをどの程度採用するかという点においても、注意が必要です。これは単純に決められるものではなく、事業の規模や組織の規模、会社の状況などさまざまな要因に影響されます。
あくまで参考程度ですが、最初のサービス立ち上げ時、そして企業的にもあまり余裕がない時期は1~2名程度が良いでしょう。しかし、その場合属人化してしまったり、エンジニアが体調を崩した場合にスケジュールが崩れてしまいがちなので注意が必要です。
少しサービスが軌道に乗り始めたり、企業的にも少し余裕がある場合は10名程度のエンジニアを採用しましょう。
この場合、少し人的余裕はでき始めますが、ここで新しい技術を使い始めたりすると、それに対応するのに手間がかかってしまいます。他の人的リソースも使うことになって余裕がなくなるリスクもあるので、この段階で新しいことを始めるのはおすすめしません。
その後、事業規模が大きくなったり、企業にも大きな余裕がある場合は20名以上になることもあるでしょう。ここまで来たら、新しいことを始めるのも1つの手です。事業規模もここまで大きくなると、サービスがマンネリ化していたり開発時の技術が古いものになっていたりすることも多いので、タイミングとしては良いでしょう。
また、新しいチャレンジをするというのは企業のイメージアップにもつながりますので、ここまでエンジニアの人数が増えたら積極的にチャレンジしてください。
顧客の行動を監視して分析
サービスの価値は顧客がどう感じたかに依存します。開発者がどれだけ良いサービスだと思っていても、顧客がそう感じていなければそのサービスに価値はありません。
なので、顧客が自社のサービスについてどう感じているのかをしっかりと監視し、分析することが大切です。
また、サービス計画時に行ったターゲット選定やペルソナ設定が、実際と合っているのかどうかという確認をする必要があります。もし想定していたターゲット層と異なっていた場合には、何が原因でそうなったかの原因究明をして、次に生かしましょう。
競合他社サービスとの差別化を図る
よほど革新的なサービスでない限りは、必ず競合他社が存在します。その場合は基本的に先に始めている方が有利なので、その状況でもサービスを売り続けるためには、競合他社との差別化が重要です。
同じサービスを同じように売っていては、先に始めていた人に勝てません。自社の特徴などもしっかりと把握した上で、どういった差別化が考えられれるのかをしっかりと検討しましょう。
自社サービスの立ち上げで疑問があるならKOBUSHI MARKETINGへ
自社サービスを立ち上げる場合には、全体計画の立案や設計書の作成、開発プラットフォームの用意などが必要です。
実際に立ち上げていくには、主に5つのフローで行っていきます。
- 設計
- 開発
- 負荷試験
- 運用
- SEO対策
しかし、自社サービスを立ち上げるというのは簡単なことではありません。事前準備や正しい進め方を知っていてもうまくいかない場合もあります。
そんなときは、外部に相談するというのも1つの方法です。自社だけでは解決できないことも第三者の目線からのアドバイスによって解決するということは少なくありません。
KOBUSHI MARKETINGではサービス立ち上げの支援もしておりますので、疑問や不安点などあればお気軽にご相談ください。