「デジタルマーケティングの概要は知っているけどもっと詳しくなりたい」、「デジタルマーケティングに関する資格を取得したいけど何があるのか分からない」という方も多いでしょう。
この記事では、デジタルマーケティングに関する基本情報やデジタルマーケティングに役立つ資格を紹介していきます。
デジタルマーケティングに求められるスキルなども解説していくので、ぜひ参考にしてみてください。
Contents
デジタルマーケティングの基本情報
以前まではテレビや新聞といった広告媒体が主流でしたが、現在はSNSやインターネット広告などの広告を出している側と見ている側が双方向に情報伝達ができる広告が主流となっています。
それに合わせて、購入者の傾向・行動・趣向などいろいろなデータを分析して、あらゆるデジタル端末を対象にして行うデジタルマーケティングが活用されるようになりました。
「デジタルマーケティング」に似た言葉で「WEBマーケティング」というのがあります。WEBマーケティングはサイト訪問者のアクセス行動を分析して、サイトに何の情報を求めているのかを探り、満足した消費へ導く手法です。
対して、デジタルマーケティングではサイトに限定せず、携帯端末・PC(コンピュータ)のブラウザ履歴や公式アプリの行動解析、あらゆるIoT機器によるデータなどを対象として、店舗やサービスの訴求に対応できる手法のことをいいます。
デジタルマーケティングに役立つ資格11選
デジタルマーケティングに役立つ資格はいくつかありますが、ここでは特に役立つ資格10選を紹介します。
下記の表で資格ごとの費用や合格基準などを紹介し、それぞれの見出しで特徴を解説していくので、これから資格を取得したい人やどの資格をとろうか悩んでいるという人はぜひご覧ください。
資格 | 費用(税込) | 合格基準 |
ウェブ広告エキスパート | Bronze講座:33,000円(公式テキスト、講座、試験を含む)
Silver講座:88,000円(講座、課題レポート採点、動画視聴などを含む) Gold講座:165,000円(講座、課題レポート採点、実技試験などを含む) 講師育成講座:110,000円(講座、課題レポート採点、実技試験などを含む) |
Bronze講座:60分の試験で80点以上で合格(100点満点)
Silver講座:課題レポートの採点結果が合格基準を満たした場合 Gold講座:課題レポートと実技試験の採点結果が合格基準を満たした場合 講師育成講座:実技試験の採点結果が合格基準を満たした場合 |
マーケティング・ビジネス実務検定 | A級:12,760円
B級:7,480円 C級:6,270円 A級・B級併願:20,240円 B級・C級併願:13,750円 |
【A級】2科目合計点(300点)の各回、試験委員長が定める点
【B級】2科目合計点(300点)の70%(210点)を基準として、試験委員長が定める点 【C級】2科目合計点(200点)の80%(160点)を基準として、試験委員長が定める点 |
Webアナリスト検定 | テキスト+講座+試験:26,400円
講座+試験:22,325円 テキスト+試験:22,000円 試験のみ:17,600円 ※開催回により多少の前後あり |
カテゴリで40%以上かつトータル75%以上の正解 |
Googleアナリティクス個人認定資格(GAIQ) | 無料 | 70問のうち80%正解 |
IMA検定 | 受講・受験料
19,800円 |
記載なし |
統計士・データ解析士 | 多変量解析実務講座
(データ解析士を目指す人向け) 入学金:5,000円 / 受講料:49,500円 現代統計実務講座 (統計士を目指す人向け) 入学金:5,000円 / 受講料:54,800円 |
記載なし |
ウェブ解析士 | 「ウェブ解析士」
公式テキスト 4,400円 認定講座 11,000円 初回試験 17,600円 「上級ウェブ解析士」 認定講座(2日間)受講費用 88,000円 「ウェブ解析士マスター」 マクロ解析レポート講座 110,000円 ミクロ解析レポート講座 110,000円 講師養成講座 220,000円 |
上級ウェブ解析士の場合
オンライン学習システム、ディスカッション形式の講座参加によって13単位を取得。 レポート課題や修了テストで、合計190点以上を取得。 |
統計検定 | 4級:3,000円
3級:4,000円 2級:5,000円 準1級:8,000円 1級(統計数理および統計応用):10,000円 1級(統計数理・統計応用のどちらかのみ):6,000円 統計調査士:5,000円 専門統計調査士:10,000円 |
4級:100点満点/70 点以上
3級:100点満点/70 点以上 2級:100点満点/70 点以上 準1級:記載なし 1級:試験毎に合否を判定 統計調査士:正解率7割程度以上 |
Google広告認定資格 | 無料 | 65問、正解率80%以上 |
Web検定 Webディレクター | 本体11,000円
※ 教育機関や団体受験では割引チケットが利用可能 |
WEBディレクション:正解率70%以上 |
ファンダメンタルマーケター資格 | 講座受講料:20万円 | 講座修了制 |
ウェブ広告エキスパート
ウェブ広告エキスパートは2023年に登場したウェブ広告の認定資格で、一般社団法人 ウェブ広告協会が運営管理しています。
資格種類は「Bronze・Silver・Gold」の3種類で、資格取得の条件は各講座の受講と試験の合格です。Bronze講座では基礎を中心に学び、Silver講座では応用的な企画設計を学び、Gold講座では発展的な実践提案を学びます。
Web広告全般から、検索広告(リスティング)、ディスプレイ広告、SNS広告、動画広告など、運用型広告を中心に学び、Web広告の戦略設計力が身に付きます。合格後には会員特典もあります。
- 公式テキスト(アップデート版)の定期配布
- eラーニング(学習管理システム)での学習提供
- セミナー・イベントの招待や広告運用の仕事紹介
Google、Yahoo!、Microsoft、Meta(Facebook)、X(旧:Twitter)、LINEなどの主要広告を始め、Google アナリティクス、タグマネージャーなどについても一気通貫で体系的に学習できるカリキュラムは貴重ですね。交流イベントも多いので、人脈を広げたい方にも向いています。
マーケティング・ビジネス実務検定
マーケティングは、「企業が顧客にモノやサービスを売るための仕組みづくり」です。顧客が本当に求めているニーズは何なのかを調べて、求めている商品やサービスを提供し、価値や満足を提供するため、さまざまな手段をとります。
そのために必要な知識を得るのにピッタリなのが、マーケティング・ビジネス実務検定です。
マーケティング・ビジネス実務検定は、マーケティング理論や知識、仕事で役立つ実務知識、事例などをまとめて習得できます。マーケティングに関する知識を幅広くつけたいという方は、検討してみてはいかがでしょうか。
Webアナリスト検定
良質なコンテンツの作成や広告出稿にはSEO対策が必須です。
マーケティングの向上において、収益データをただ単に見ても前月比程度しか見えてきません。目標に対してWEBサイトの顧客状態・収益など現状を分析し、解決するための仮説を立て実行するプロセスが大切です。その重要なポジションであるWEBサイトの分析、改善を行う人のことを「WEBアナリスト」といいます。
Webアナリスト検定では、データ分析の考え方や集客、コンバージョン、リピートなどをまとめて学べるだけでなく、実践的な方法や手順なども合わせて勉強できるため、受講後にすぐに実戦で使える知識が手に入るでしょう。
Googleアナリティクス個人認定資格(GAIQ)
Googleアナリティクス個人認定資格は、Googleアナリティクスの習熟度を認定する資格です。
GAIQの認定資格試験はインターネット上で受験することができる資格受験で、Googleアナリティクスについて選択式で問われます。取得すれば、熟練したGoogleアナリティクスユーザーであることが証明できるでしょう。
GAIQの試験を準備する場合は、Googleアナリティクス初心者向けコース、Googleアナリティクス上級者向けコースの2つのアカデミーコースを完了させると良いです。アカデミーコースも試験も無料なので、気軽に学べます。
IMA検定
IMA検定取得はInternet Marketing Analyst(インターネットマーケティングアナリスト)の略で、即実践できるマーケティングスキルを身につけられます。
スタンダードコースではサイト分析やリスティング広告の運用スキル、プロフェッショナルコースではターゲット別の集客プランの立案や広告プランニングの基本スキルを学ぶことが可能です。
実践的な知識やノウハウが得られるので、仕事や転職にも役立つでしょう。
統計士・データ解析士
統計士・データ解析士は、実務教育研究所が行う通信講座を受講し、合格・修了することで認定される統計資格です。
統計士は「現代統計実務講座」・データ解析士は「多変量解析実務講座」に対応しています。 日本で唯一の文部科学省認定講座で、仕事で忙しい方も無理なく学習できる点が人気です。
特に優秀な成績で修了した人には文部科学大臣賞、全課程を優秀な成績で修了した人には実務教育研究所賞が授与されるなどの制度もあり、やればやるほど成果が実感できます。
ウェブ解析士
ウェブ解析士は、WEBマーケティングの基盤となる「ウェブ解析」ができる人材を育成するための認定資格です。ウェブ解析士の資格には、以下の3つのグレードがあります。
- ウェブ解析やウェブマーケティングの基本的な知識を習得する「ウェブ解析士」
- KPI設定などの実践的な提案やコンサルティングスキルを学べる「上級ウェブ解析士」
- 企業研修などの講師になるために必要な教育・育成・指導スキルを手に入れるための「ウェブ解析士マスター」
ウェブ解析士の資格を取れば、実践的な知識やスキルが身につき、実務で活躍できるでしょう。
統計検定
統計検定とは統計に関する知識や活用力を得るための資格で、学びたいレベルや内容によって試験を選べます。
統計検定は試験の種類が多く、以下の10種類の検定があります。
- 統計検定1級
- 統計検定準1級
- 統計検定2級
- 統計検定3級
- 統計検定4級
- 統計調査士
- 専門統計調査士
- 統計検定 データサイエンス基礎(CBT)
- 統計検定 データサイエンス発展(CBT)
- 統計検定 データサイエンスエキスパート(CBT)
検定の種類によって受験料なども変わってくるので、自分の目的やレベル、費用対効果なども考えて選ぶと良いでしょう。
Google広告認定資格
Google広告認定資格は、Googleが公式に公開している広告に関する知識や理解力を確かめられる認定資格です。
「検索・ディスプレイ・ショッピング・動画・アプリ・測定」の6つの項目で、それぞれ合格することでその分野での知識保持を証明できます。
オンライン上で24時間365日いつでも簡単に受験できるので、気軽に受けられます。受験できるのは1日1回のみなので注意しましょう。
Web検定 Webディレクター
WEBディレクションは、WEB業界におけるディレクション業務を制作管理して、一定の品質を保つために必要な業務です。そんな、WEBディレクション業務に関するスキルを得るための試験がWeb検定です。
Web検定は、仕事でWEBに関わる人の標準的な知識の整理・構築をして、立場による認識の違いや知識のズレをなくすことで非効率的なワークフローを廃し、効率良くWEB制作を行うことを目的としています。
マーケティングと直接的な関係は薄いですが、ディレクションに関する知識を身につけて効率的にデジタルマーケティングを行うためのフローを学ぶには良いでしょう。
ファンダメンタルマーケター資格
「DMA公認 ファンダメンタルマーケター(DMA Certified Fundamental Marketer)」は、全米広告主協会(ANA)が公認している資格です。
プランニング・デジタルマーケティング・ソーシャルチャネル・クリエイティブ・データベース・効果検証・分析の10教科から構成されたカリキュラムを受けて、実践的なノウハウを習得します。
10教科の受講・合格・修了によって、資格を得ることが可能です。他の資格と比べて受講料が高いため、他の資格を取得してからさらに知識を得たい方が挑戦してみると良いでしょう。
さらに高度な資格を得るなら国家資格もおすすめ
今後の仕事のキャリアプランや転職のために高度な資格がほしいという方は、ITパスポートや中小企業診断士試験などの国家資格の取得を検討してみてください。
デジタルマーケティングに直接的に関係のある国家資格は中小企業診断士試験だけですが、ITパスポートも経営やITに関する知識を学べるのでおすすめです。
ここでは、それぞれの資格について詳しく解説していきます。
ITパスポート
ITパスポートはITに関する知識だけが問われる資格だと勘違いしている人が多いですが、実際には経営戦略やマーケティングなどの経営に関する知識、AIやIoTなどの新しい技術に関する知識など、幅広い知識が求められる試験です。
そのため、インターネットとマーケティングの両方の知識が求められるデジタルマーケティングに役立つでしょう。
受験料は5,700円(税込)で、全国47都道府県で実施しています。合格ラインは総合評価点が1000点中600点以上、分野別評価点が1000点中300点以上です。
中小企業診断士試験
中小企業診断士は中小企業の経営課題を解決に導くために診断や助言を行う専門家で、中小企業診断士試験はその助言をするに値するかを判断される試験です。
企業の成長戦略に関する知識が求められるので、デジタルマーケティングの知識を得るためにもピッタリでしょう。
受験料は1次試験で13,000円、2次試験で17,200円となっています。試験の難易度が高く、学習に要する時間は1000時間程度とされているため、受験する際はしっかりと勉強してください。
デジタルマーケティングに関する資格を取得した方が良い人
デジタルマーケティングは今後さらに需要が高くなっていくため、今資格をとっておけば転職やキャリアプランの実現に役立つでしょう。
ここでは、特にデジタルマーケティングに関する資格を取得しておいた方が良い人はどんな人なのかを紹介するので、ぜひ参考にしてください。
マーケティングについての知識を深めたい人
今後のキャリアプランを見据えてマーケティングに関する知識を身につけたい、今持っている知識をさらに深めたい、経営のためにマーケティングについて知っておきたいという人は資格をとった方が良いでしょう。
マーケティングについて理解していれば、製品開発・ブランド戦略・広告・販売戦略まで、経営に直結したプロセスに役立てられます。
マーケティング知識を持っていて損はないので、少しでも興味のある方は資格の取得を目指してみてはいかがでしょうか。
マーケティングの仕事をしたい人
マーケティングの仕事をしたい人や未経験からマーケティング職に転職したいという人も、資格の取得がおすすめです。
「マーケティングに関する知識を持っています」とだけいわれても、企業はどれくらい知識を持っているのか、その知識をどれだけ業務に生かせるのかが分かりません。しかし、資格を持っていれば、何の知識がどれくらいあるのか、それを業務に生かせるのかが明確になります。
自分の知識を深められるだけでなく企業側へのアピールにもなるため、これからマーケティング職につきたい人は資格の取得を検討してみてください。
デジタルマーケティングで求められるスキル
デジタルマーケティングはWEBマーケティングよりも範囲が広く、それだけ専門知識や必要なスキルの多様性が求められます。そんなデジタルマーケティングで求められるスキルは、主に以下の5つです。
- マーケティングの知識
- 情報収集能力
- コミュニケーション能力
- IoTやAIに関するスキル
- クリエイティブスキル
それぞれのスキルごとに何が求められるのか、解説していきます。
マーケティングの知識
当たり前のことですが、デジタルマーケティングではマーケティングに関する知識が重要です。顧客が求めている製品やサービスの企画立案、顧客に届けるための広告、広告によって得られたコンバージョンの分析など、業務上でさまざまな知識が必要になります。
どの業務にも対応できるように幅広い知識を持っていれば、企業から求められる人材になれるでしょう。
情報収集能力
デジタルマーケティング業界では常に最新の動向や流行に目を向け、情報の変化を察知する必要があります。
業界リーダーやインフルエンサー、影響力の高いタレントなど、幅広い人物の発言や動向に目を向けるだけでなく、SNSでの流行や今見られやすい広告など、消費者の動向にも注目しなければいけません。
セミナーなどに参加してマーケティングに関する最新情報を手に入れるなど、デジタルマーケターには積極的に情報収集する能力が求められます。
コミュニケーション能力
デジタルマーケティングでは、コミュニケーション能力も必要です。
マーケティングを行っていく上では、他部署や会社の重役、クライアントなどとコミュニケーションをとりながら、訴求内容をしっかりと理解しなければいけません。また、訴求内容に合わせた提案や企画の立案など、自分から発信する能力も求められます。
IoTやAIに関するスキル
デジタルマーケティングでは、スマホの検索履歴や行動解析だけでなく、あらゆるIoT機器のデータを参考にして分析します。
IoT機器とは、機器の電子装置が自己で分析・分岐処理や条件判断をできる「AI機能」を持つ機械です。近年では、エアコンや炊飯器などの家電製品、スマートウォッチなどのウェアラブル機器などに活用されています。
デジタルマーケティングでIoT機器に関する分析を行うためには、IoT機器やAIに関する知識やスキルが求められるでしょう。
クリエイティブスキル
デジタルマーケティングはSNSが普及し始めてから行われている手法なので、まだ開発中です。今後は、SNSの流行の変化などに合わせてさらに新しい分析方法や戦略を考えて、マーケティングに生かしていかなければいけません。
また、広告などでうまくターゲットを導くためには、ライティングのスキルが必要になる場面もあります。
そのため、デジタルマーケティングでは新しい分析方法や戦略を考えるクリエイティブスキルやライティングのための創造性が必要です。
未経験からデジタルマーケティング業界への転職はできる?
デジタルマーケティングはまだ経験者が少ないため、未経験からでも転職が可能です。自分の持っているスキルなどをうまくアピールできれば、マーケティング初心者でも十分転職できるでしょう。
しかし、未経験で全く知識がない人よりも、未経験でも多少の知識がある人の方が転職では有利です。少しでも転職しやすくするためには、デジタルマーケティングに関する資格を取得して、企業にアピールしましょう。
デジタルマーケティングの勉強をするならKOBUSHI MARKETING
デジタルマーケティングは、あらゆるデジタル端末を対象に、購入者の傾向・行動・趣向などさまざまなデータを分析して行うマーケティング手法です。
これから勉強してデジタルマーケティングに関する資格を手に入れたいという人は、以下の資格を検討してみると良いでしょう。
- ウェブ広告エキスパート
- マーケティング・ビジネス実務検定
- Webアナリスト検定
- Googleアナリティクス個人認定資格(GAIQ)
- IMA検定
- 統計士・データ解析士
- ウェブ解析士
- 統計検定
- Google広告認定資格
- Web検定 Webディレクター
- ファンダメンタルマーケター資格
また、国家資格なら、ITパスポートや中小企業診断士がおすすめです。
デジタルマーケティングは未経験からの転職も可能なので、転職したいけど知識が全くないという人は、資格試験の勉強をして知識をつけると良いでしょう。
KOBUSHI MARKETINGでは、デジタルマーケティングのセミナーも行っています。独学で勉強するのは不安、自分1人では続けられそうにないという方は、ぜひセミナーをご活用ください。